子どもの心を中心に、からだの面にも目を向けるような診療を心がけています。
女性ならではの、お母さんの目線に近づけるようなお話しができればよいな…と思っています。
日々の診療で思うこと、日常生活の中で感じることなどをつづっています。
最近は、どちらかというと、
普段会えない友人達へのメッセージがわりとなっているようにも思います。
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NHKスペシャル「好きなものだけ食べたい」
NHKスペシャル「好きなものだけ食べたい」を昨夕見ました。
数日前からNHKで放映されていた予告編を見て、興味を抱いたからです。

子どもたちの食事に、今どんな異変がおきているのか?
その異変の原因は何かを知りたかったからです。

とある小学校でのお話。
「食育」に早くから取り組み、子どもたちだけでなく授業参観でもテーマとして取り上げていたことから、「食育モデル校」となっています。
ところが、そのような小学校であっても、給食を残す量が半端な量ではありません。

なぜなら、子どもたちは自分の好きなものしか食べず、嫌いなものは食べようとはしないからです。

そこで、全校生徒に3食の食事を1週間、写真に撮ってきてもらうことにしました。
食育教育のおかげで、朝食を抜く子どもはいませんでしたが、
驚くのはその内容です。
お菓子の盛り合わせだったり、ファーストフードやコンビニのハンバーガー、にくまん、おにぎりだったり。
栄養のバランスという言葉は死語でしょうか?

ここ10年で、子どもの中に潜在的な生活習慣病の因子を持つ割合が増えています。
番組内では、肥満だけでなくやせの影響も指摘し、
子ども時代の食生活の乱れが、将来の骨粗鬆症や脳血管障害、
更には次世代の子どもたちへの影響として低出生体重児や産まれた子どもの肥満傾向への警鐘もされていました。

恐ろしいことです。ぞくっとしました。

なぜなら、その発端として現代の親達が、
「子どもたちが嫌いなものを無理して食べさせる必要はない」
「いつかは食べるようになる」
「(肥満の入院プログラムの参加にあたり)自宅では甘えさせてできないから、こういうものに参加させて自覚を促す」
という発言をしていたことです。

私が働いている病院では、自閉症や精神遅滞の成人を対象にした肥満プログラムを行い、入院中は成果をあげていますが、外泊や退院後にリバウンドするということもわかっています。
対象にしている病気が、食に関する理解を得にくい人達だからかと思っていましたが、
今日の放送を見ている限り、そういうことだけではないのかもしれません。
入院中にできても、退院した後できるようになるためには、子どもたちだけの気持ちの変化だけではだめなのです。親のスタンスが変わらないと、結局子どもたちにとって、退院後のリバウンドが「失敗体験」としかならないのです。

子どもたちにイヤな体験、嫌いな体験を、親がトライさせようとする努力を避けること、これがいろんな場面で見られます。
小児科医として関わっていたときに一番多い訴えが、
「薬を飲みません」ということでした。

しかってまで…といいます。
けれど、少しでも食べられたり、薬が飲めたり、と
それまでできなかったことが、がんばってできたと言う経験は、
親がきちんと誉める機会にもなり、子どもたちが「できた!」という実感を持てる貴重な経験となって返ってきます。

単に、体の機能面だけの問題ではなく、こころを育てるということから
考え直していってほしい課題だと思います。

救われたのは、番組内で子どもたちが変化する様子を描いていたことです。
■ 食農教育(自分たちが作った野菜を給食で食べる)を実践している小学校では給食の残飯はほとんど出ない。
■ 自分でお手伝いして作った料理ならば、苦手な野菜が入っていても食べようとする気持ちがわき、実際食べられる。
■ 友達と一緒にがんばっているという実感が感じられたら、入院プログラムの中で嫌いな野菜をがんばって食べようという気になり、実際食べられる。

ほんのちょっとした考え方、そしておしつけではなく、一緒に考えて、一緒に達成できる目標をつくること、
それが大切なのだと思いました。
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